股関節のつまり感を少しだけ考える~Oblique translation理論について~
初投稿
こんにちは。今回はOblique translation理論(以下よりトランスレーション理論)についての投稿です。
まず私が一番最初にトランスレーション理論に触れたのは八王子スポーツ整形外科の佐藤正裕先生(理学療法士・JSPO-AT)のセミナーを受講した際でした。
そのセミナーは膝関節に関するセミナーで大変勉強になりましたがトランスレーション理論については冒頭で軽く触れたのみで深い解説は特になかったと記憶しています。
その際にトランスレーション理論について気にはなっていたのですが特に触れる機会はありませんでした。すぐに調べないのは非常に良くないですね。
しかし先日学校で行われた肩関節周囲炎についてのケーススタディの授業で関節包、靭帯の制動や機能について調べる機会があったので思い出したように調べケーススタディの発表を行い今に至ります。
トランスレーション理論とは
正常な関節運動では最終域で靭帯や関節包が緊張することで正常な可動域と安定性が得られます。しかし関節包や靭帯の伸長性が低下した症例では関節運動の最終域に達する前に関節包の緊張がピークに達し、付着している骨頭や骨が変位する力が生じます。これをトランスレーション理論と呼びます。
アスリートや一般成人がよく経験するつまり感について
よく中臀筋(お尻の横の筋肉)をストレッチしたりdeepなスクワットをおこなったりすると股関節の詰まり感を訴える人がいると思います。(私もその一人です)
トランスレーション理論に基づいて考えるという表現方法は少々乱暴かもしれません、が関節包や靭帯の短縮により骨頭が変異し深屈曲位でストレスが加えられつまり感に繋がっているとも考えられます。
一般的に股関節前面の筋肉(腸腰筋)を伸ばしたりセルフでリリースする人が多いと思いますがそれでも改善しない場合は専門家(理学療法士やその他医療従事者)に治療をしてもらうと良いかもしれません。
※一般的なセルフケアの方法はS&Cコーチの河森直記さんのブログで紹介されているのでご覧ください。
http://kawamorinaoki.jp/hip-joint-2-0/
学生アスリートにとってつまり感のために治療をしにいくというのは違和感があるかもしれませんが普段のトレーニングの効果を上げるという意味ではプロテイン一袋以上の価値があると私は考えます。
終わりに
トランスレーション理論を調べていく中で関節の求心位を獲得するためには特に関節包への直接的なアプローチが必要なのかなと感じました。肩関節に代表されるようなセルフでのストレッチだけではなく直接膝関節や足関節など各部位の関節包に対してアプローチができればより早く求心位が獲得でき効果的な運動療法、トレーニングに繋げやすそうだなぁと感じました。
参考文献
肩関節拘縮の評価と運動療法